① はじめに
「看護師は転職すれば年収が上がるの?」
「今の職場に大きな不満はないけど、給料には不満がある……」
「転職するなら、できれば年収100万円くらい上げたい」
看護師として働いていると、一度はこんなことを考えたことがあるのではないでしょうか。
僕自身、31歳のときに精神科病院から転職しました。
転職前の職場は、人間関係も良く、残業もほとんどありませんでした。決して「辞めたくて仕方がない職場」だったわけではありません。
それでも転職を決めた大きな理由が、収入面への不安でした。
結果として、転職後は年収が
465.2万円 → 553.2万円
となり、年間88万円アップしました。
「年収100万円アップ」を目標に転職活動をしていたので、目標には少し届きませんでしたが、収入を大きく増やすことができました。
この記事では、僕が実際に転職するまでに考えていたことや、転職前後の給料、転職活動で重視したポイント、そして実際に転職して感じたメリット・デメリットを紹介します。
これから転職を考えている看護師さんの参考になればと思います。
② 転職前の状況
まずは、僕が転職する前の状況を紹介します。
転職前のプロフィール
- 年齢:31歳
- 看護師経験年数:10年
- 職場:精神科病院
- 年収:約465万円
- 月収:約32.1万円
- ボーナス:約80万円/年間
- 夜勤回数:月5回
- 残業時間:ほぼ0時間
月収は約32.1万円で、手取りは25万円程度でした。
夜勤は月5回ほど。
残業はほとんどなく、人間関係も比較的良好でした。
そのため、職場環境だけを考えれば、かなり恵まれていたと思います。
「今の職場が嫌だから辞める」という転職ではありませんでした。
それでも、僕にはどうしても気になる部分がありました。
それが給料です。
③ この年収でも生活できなくはない。でも転職を考えた理由
正直、年収465万円あれば生活できないわけではありません。
普通に生活することもできますし、趣味を楽しむこともできます。
ただ、当時の僕は「このままで大丈夫なのかな?」という漠然とした不安を感じていました。
物価は上がっていく。
税金や社会保険料の負担もある。
将来的には結婚や子育ても考えている。
そう考えると、今の収入のままでは余裕のある生活をするのは難しいのではないかと思うようになりました。
特に嫌だったのが、お金のことでイライラしたり、将来のお金について不安を抱え続ける生活です。
結婚して子どもができたときに、
「今月ちょっと使いすぎたな……」
「この出費は大丈夫かな……」
と、お金のことばかり考える生活にはしたくありませんでした。
また、将来への不安から資産形成も加速させたいと考えていました。
NISAで投資をすること自体は良いことだと思っています。
ただ、投資にお金を回しすぎて、現在の生活が苦しくなる**「NISA貧乏」**のような状態にはなりたくありませんでした。
将来のためにお金を貯めることは大切です。
でも、将来のために今を犠牲にしすぎるのも違う気がします。
お金のことばかり考えていると、やっぱり人生があまり楽しくありません。
「もっと収入を増やして、将来のためのお金も作りながら、今の生活も楽しめるようにしたい」
そんな気持ちが強くなり、転職を考えるようになりました。
④ 転職活動で重視したポイント
転職するからには、ただ職場を変えるだけでは意味がありません。
僕は転職活動をする際に、いくつか条件を決めていました。
1.年収100万円以上アップ【最重要】
これは転職活動をするうえでのマスト条件でした。
「どうせ転職するなら、収入を大きく上げたい」
そう考えていたので、年収100万円アップを目標にしました。
結果的には88万円アップだったので、惜しくも100万円には届きませんでした。
それでも、年間88万円という金額は、転職して良かったと思える大きな要因になりました。
2.夜勤回数
夜勤回数については、特に少ないことを条件にはしていませんでした。
むしろ僕の場合は、ある程度夜勤に入れるほうが身体的にも給料的にも楽だと考えていました。
夜勤手当については、1回12,000円以上を一つの目安にしていました。
看護師の給料は夜勤手当によってかなり変わるので、基本給だけではなく、夜勤手当や夜勤回数まで確認することが大切だと思います。
3.休日数
休日は年間休日120日以上を条件にしました。
ただし、僕が特に重視したのは年間休日だけではありません。
有給休暇を自由に取得できるかどうかも確認しました。
転職前の職場も年間休日は120日以上ありました。
しかし、有給休暇については「自由に取りやすい」とは言えない状況でした。
その経験から、休日数だけを見るのではなく、
- 有給休暇を実際に取得できているか
- 希望休が取りやすいか
- 有給消化率はどの程度なのか
といった部分も確認するようにしました。
4.福利厚生
福利厚生については、僕の場合はそこまで重視していませんでした。
もちろん充実しているに越したことはありませんが、転職の目的が「収入を増やすこと」だったため、優先順位は低めでした。
5.残業時間
残業については、前職と同じくほぼ0時間を希望しました。
また、残業代が出る場合も、できれば1分単位で適切に支給される職場を選びたいと考えていました。
特に気をつけたのが、看護師にありがちな前残業です。
「始業前に情報収集をするのが当たり前」
という職場もあるため、
情報収集の時間が勤務時間として扱われるのか
という点も確認しました。
6.通勤時間
通勤時間については、そこまで気にしていませんでした。
もちろん近いに越したことはありません。
ただ、給料や休日などの条件が良ければ、最悪の場合は引っ越せばいいと考えていました。
そのため、通勤時間よりも給与や勤務条件を優先しました。
7.職場の雰囲気
職場の雰囲気はかなり重要視しました。
ただ、ここは転職活動をしていて難しいと感じたポイントでもあります。
転職エージェントの方や施設長にも職場の雰囲気について確認しました。
しかし、実際に働いてみないと分からないことは多いと思います。
人間関係や職場の雰囲気については、求人票だけでは判断できません。
そのため、僕は可能であれば実際に職場見学をすることをおすすめします。
「人間関係は良好です」
と言われても、その言葉だけでは判断できません。
自分の目で職場の雰囲気を見ることは、転職後のミスマッチを減らすためにも大切だと思います。
8.今後の昇給
転職時には、現在の年収だけではなく、今後の昇給についても確認しました。
転職によって年収が100万円近く上がったとしても、その後の昇給率がほぼ横ばいなら、長期的に見ると収入差は小さくなっていく可能性があります。
また、転職先によっては、
- 退職金が少ない
- 昇給が少ない
- 夜勤手当が高いことで年収が高く見えている
といったケースもあります。
そのため、
「年収○○万円」という数字だけで判断しないこと
が大切だと思います。
基本給、夜勤手当、賞与、昇給、退職金などを含めて確認することをおすすめします。
そして、もう一つ大切なのが、
「給料が高いのには、それなりの理由がある」
ということです。
夜勤が多い、業務が大変、人手不足、離職率が高いなど、給与が高く設定されている理由がある場合もあります。
なぜその職場の給料が高いのか。
そこを理解したうえで入職すれば、転職後の「こんなはずじゃなかった」という不満も減らせると思います。
⑤ 実際に年収はいくら上がった?
ここからは、実際の転職前と転職後の給料を比較します。
| 転職前 | 転職後 | |
|---|---|---|
| 月収 | 321,000円 | 371,000円 |
| ボーナス | 800,000円 | 1,080,000円 |
| 年収 | 4,652,000円 | 5,532,000円 |
| 年収差 | +880,000円 |
月収は、
32.1万円 → 37.1万円
となり、月5万円アップしました。
年間では、
465.2万円 → 553.2万円
となり、年収は88万円アップしました。
「年収100万円アップ」を目標に転職活動をしていたので、目標には少し届きませんでした。
それでも、年間88万円の収入増は僕にとってかなり大きな変化でした。
単純計算すると、毎月約7.3万円の収入増です。
この金額が毎年積み重なると考えると、転職による収入アップのインパクトはかなり大きいと感じました。
⑥ 年収88万円アップして生活はどう変わった?
転職して一番変わったのは、単純に「使えるお金が増えたこと」です。
貯金・投資のペースが上がった
以前よりも余裕ができたことで、毎月NISAに3万円を入れながら、さらに10万円程度の余裕を作れるようになりました。
もちろん毎月必ず10万円残るわけではありません。
それでも以前と比べて、お金に余裕を持って生活できるようになりました。
将来への不安が軽くなった
転職したからといって、将来への不安が完全になくなったわけではありません。
でも、
「もし何かあっても、以前よりは対応できる」
と思えるようになりました。
この「余裕」がかなり大きいと思います。
生活防衛資金を貯められるようになった
収入が増えたことで、生活防衛資金も作りやすくなりました。
以前よりも現金を確保できるようになったことで、急な出費があったときにも借金やカード払いに頼る必要が減りました。
投資も大切ですが、まずは生活防衛資金を確保する。
そのうえで余裕資金を投資に回す。
この状態を作れたことは、転職による大きなメリットだったと思います。
好きなことにお金を使えるようになった
そして、個人的に一番大きかったのがこれです。
好きな服を買ったり、趣味にお金を使ったりできる幅が増えました。
これって、かなり大切なことだと思っています。
資産形成をしていると、
「もっと貯めないと」
「もっと投資しないと」
と考えてしまいがちです。
もちろん将来のためにお金を準備することは大切です。
でも、人生は今も続いています。
将来のためにお金を貯めることばかり考えて、現在の生活がつまらなくなってしまったら本末転倒です。
僕自身、以前はお金のことを考えすぎていました。
「これ買って大丈夫かな?」
「もっと貯金しないと」
「将来のお金は足りるかな?」
そんなことばかり考えていると、やっぱり楽しくありません。
収入が増えたことで、将来のためのお金を準備しながら、今やりたいことにもお金を使えるようになった。
これが僕にとって、転職して一番良かったことかもしれません。
⑦ 実際に転職して感じたデメリット
もちろん、転職して良いことばかりだったわけではありません。
ここでは、実際に働いてみて感じたデメリットも紹介します。
年下の先輩・上司が増えた
32歳での転職だったこともあり、転職先では年下の先輩や上司が多くなりました。
年齢を気にしなければ問題ないことですが、前職では自分より年上のスタッフが多かったため、最初は少し戸惑いました。
また、転職先は女性スタッフが多い職場だったため、男性が多かった精神科病院とは人間関係の作り方も違うと感じました。
診療科が変わると、経験がそのまま活かせないこともある
看護師は「看護師」という資格は同じでも、診療科や働く場所によって仕事内容が大きく変わります。
僕の場合は、
精神科病院 → 訪問看護
への転職でした。
そのため、これまでの経験がすべてそのまま活かせるわけではありませんでした。
記録方法や物品の取り扱いなども違います。
転職する際は、
「自分のこれまでの経験をどこまで活かせる職場なのか」
という点も考えておくといいと思います。
訪問看護ならではの緊張感がある
訪問看護では、病棟とは違って利用者さんの自宅に訪問します。
そのため、家族の目もあります。
病棟勤務とはまた違った緊張感があり、常に気を張っているような感覚があります。
同じ看護師でも、働く場所が変われば仕事の大変さやストレスの種類も変わります。
「年収が高いから」という理由だけで転職先を決めるのではなく、自分がその働き方に合っているかも考える必要があると感じました。
⑧ 看護師は転職で年収100万円アップできる?
結論から言うと、看護師は転職によって年収を大きく上げられる可能性があります。
僕自身、転職によって年収を
465.2万円 → 553.2万円
まで上げることができました。
ただし、
「看護師なら転職すれば必ず年収100万円アップできる」
というわけではありません。
僕の場合も、100万円アップを目標にしましたが、実際の年収アップは88万円でした。
大切なのは、自分の経験や資格、夜勤回数、勤務条件などを含めて、自分を評価してくれる職場を探すことだと思います。
そして、もう一つ大切なのが、
「年収が高い=良い職場」とは限らない
ということです。
年収が高い理由が、
- 夜勤回数が多い
- 業務負担が大きい
- 人手不足
- 離職率が高い
- 退職金が少ない
- 昇給が少ない
といったケースもあります。
だからこそ、転職前には年収だけではなく、勤務条件や職場環境まで確認する必要があります。
最終的には、自分が何を優先するのかを明確にしたうえで、転職先を選ぶことが大切です。
⑨ まとめ
今回は、僕自身の看護師転職について紹介しました。
転職前の年収は約465万円。
転職後は約553万円となり、年間88万円の年収アップを実現することができました。
転職前の職場は人間関係も良く、残業もほとんどない恵まれた環境でした。
それでも転職を決めたのは、将来のお金に対する不安があったからです。
収入が増えたことで、貯金やNISAへの入金を増やせただけではなく、好きなことにも以前よりお金を使えるようになりました。
僕は今回の転職を経験して、
「収入を増やすことは、単純にお金持ちになるためだけではなく、人生の選択肢を増やすためにも大切なんだ」
と感じました。
もちろん、年収が高い職場にはそれなりの理由がある場合もあります。
だからこそ、転職するときは年収だけを見るのではなく、
「なぜこの職場は給料が高いのか?」
というところまで確認することが大切です。
もし今の職場に大きな不満はないけれど、
「もう少し収入を増やしたい」
「将来のお金が不安」
「もっと余裕のある生活をしたい」
と感じているなら、転職という選択肢を一度考えてみてもいいかもしれません。
転職するかどうかを決めるのは、その後でも遅くありません。
僕自身も、転職によって人生が劇的に変わったわけではありません。
でも、以前よりお金に余裕ができて、将来のことを考えながら今の生活も楽しめるようになりました。
今振り返ると、あのとき転職を決断して良かったと思っています。

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